「“新しい文明”について②」(No.25)


教化部長 久都間 繁

  

  生長の家が掲げる〝新しい文明〟とは何か? それは、伝統的な言葉で表現すれば〝地上天国実現〟ということである。この文明は、どこか他所(よそ)からやってくるのではなく、その種(たね)(実)は私たち一人ひとりの内に宿っているのだ。その種のことを神性といい仏性という。それを育てることによってのみ〝新しい文明〟は花開くのである。すなわち〝地上天国実現〟は、私たちの一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)がその槌音(つちおと)となり、礎(いしずえ)となるのだ。それはよそ事の未来ではなく、私たちが神性・仏性を生きたところにのみ具体化する〝神の子の文明〟なのである。

 

〝新しい文明〟の軸となるのは慈・悲・喜・捨の四無量心である。これは古くて新しい生かし合いの思想であり、やがて私たちの運動は、組織の枠を越えて全人類的なムーブメントとなるだろう。それは人や自然に慈悲を与え、他から奪わず、天地のすべてのものと調和する生き方である。生長の家の伝統と異なるように見えるのは〝真価値〟をふんだんに内包(ないほう)しているからであり、その中身は「大調和の神示」に説かれた天地一切のものと和解して、世界平和を実現する倫理的生活の実践である。生長の家の運動は、時代や場所に応じて自在に変化して、常に天地のすべてのものを生かし、次世代のことを見据えた生き方となるのだ。

 

 伝統的な相・白・青の運動は、その組織を通して多くの人々を導いてきた。一方でプロジェクト型組織(PBS)は、教区を越え、組織を越え、年齢や性別を越えている。ともに実相世界(神意)の多様性が時節に応じて顕れたのである。旧来の運動とPBSの活動とを同時に展開することで、壮年層以下の人々を真理の道へと導く門戸が広がることだろう。それぞれの立場で神に祈り、神の子・仏の子として菩薩行を実践するところに新たな道が開けて来るのだ。

 

 それは、十把一絡(じゅっぱひとから)げ的に上から下への指示や命令によって実現するものではなく、神意を生きるその足下(あしもと)から新文明が開花するのである。それは日々の三正行を通して、一歩ずつ生活に浄土をあらわすことの積み重ねであり、料理やクラフトを手作りするのにも似て、大量生産で一挙に工場で作る、というわけにはいかないのである。効率を優先するあまりそこを見誤ってはならない。ここに〝新しい文明〟すなわち地上天国を実現するための大切なポイントがある。

 

 〝使う人〟のことを想いながらクラフトを仕上げ、オーガニックな料理や野菜を手間ヒマかけて作るところに神や自然と調和した心が培(つちか)われる。それは次世代へと繋がる日時計主義の生活であり、地球の未来を救う生き方となるのだ。運動が、あらたな方向へと進むかに見えるのは〝新価値〟が次々と展開しているからである。この「駱駝(らくだ)の針の穴を通るが如き」〝めんどくさい〟愛行を実践するのは真の信仰者たちである。つまり〝新しい文明〟は、神意を生きる〝あなた〟がイニシアティブを握っているのだ。この生き方から、内なる「神の国」が湧出する。