「光明講座について」(No.10)


教化部長 久都間 繁

 

 「自然」は、人類を育む母である。私たちが文明を形成する遙(はる)か以前から、地球上では多様な生態系がいとなまれていたのである。人類が「自然」という母の懐(ふところ)で育まれ、今日に到っている記憶を、私たちがどこかに置き忘れしまった結果が今日の地球環境問題となって現れている。プラトンによると、人間が皆忘れっぽくなったのは、エジプトの古い神様が文字という便利なものを発明して、人類がこれに頼るようになったからだという。しかも文字は、知恵らしく見えるが、実は知恵の外見であって〝真実の知恵〟ではないというのだ。

 

 文字には「記録する」という便利な機能がある。記(しる)すことで人類の文明は高度に発達し、自然と離れて独自の文明を築くに到ったのである。これの濫觴(らんしょう)(物事の始まり)が都市国家である。脳科学の知見では、文字による情報伝達は主として左脳で行われるという。つまり「自然」と離れた都市文明の発想から、人間社会での重要なことの意志決定が為されてきたのである。ここに自然と人類との乖離(かいり)が生まれ、いつの間にか自然は人類の母としての座を追われ、利用すべき対象としてしか視られなくなったようだ。この傾向を非対称性(ひたいしょうせい)といい、今日においてこれは人類自身に及び、内外における格差社会、貧困、飢餓、テロ、国際紛争などは、そのシワ寄せの結果である。

 

 2017年度から、生長の家の運動方針が、「〝自然と共に伸びる運動〟実現」から、「〝新しい文明〟の基礎を作る」へと変わった。〝新しい文明〟とは、人類の一人ひとりが人間・神の子に目覚め、プラトンが喩(たと)えた〝真実の知恵〟を蘇らせて神性・仏性を生きることである。具体的には、〈「ノーミート、低炭素の食生活」「省資源、低炭素の生活法」「自然重視、低炭素の表現活動」が、世界の人々のあたりまえのライフスタイルになるような〝新しい文明〟の実現を目指す〉と運動方針書には示されている。

 

 このような方針を受けて、教区でも一月から「光明講座」という真理勉強会を始める。これは生長の家の教え(真実の知恵)を体系的に学ぶためのもので、テキストに書かれているポイントを私が講師になって深くざっくりと読み解いていく予定だ。皆さんはどのテーマから参加してもいいし、毎回〝目からウロコが落ちる〟話をしようと考えている。対象者は、これを読んでいるあなただ。教えの基礎論をしっかり学び、今の運動の背後にある縦(唯神実相)と横(唯心所現)の真理を読み解くことから、あなたもいつの間にか教務クラスの実力が養成される。また、講師でない方もこの勉強会に参加するだけで、講師試験が楽々とクリアできる実力が身につくはずだ。

 

 ここで養われるチカラは家族を救い、多くの苦悩を癒し、ご縁ある人々を光明生活へと転ずるための真実の智慧を培(つちか)うことだろう。講師研修会と同様、ふるってご参加いただきたい。