「子ども食堂と生命学園」(No.9)


教化部長 久都間 繁

 

 十二月のある朝、駅まで歩いていると雪虫が舞っていた。雪虫は降雪を告げるともいわれており、北国出身の旧友は子供のころ「雪虫、つかまえるといけないよ。捕まえると雪降らなくなるからね」と家族から言われたそうだ。季節の巡りは気候の変化とともに訪れ、昆虫の種類、動物の行動、植物の粧いなど、自然界を挙げての壮麗(そうれい)なシンフォニーを奏でながら展開しているように見える。

 

私たちの運動も自然界のいとなみに似ている。み教えを伝えてくださった先人たちのおかげで、今日の運動があり、教化部会館があり、信仰を継承する今の自分がいる。またそれを次世代へと伝えていく使命を私たちは担っている。そんなことに想いを巡らせていた折、生教会の会議で「教化部で子ども食堂を毎週土曜日の晩に開催したい」との声が挙がった。唐突な話ではあるが、もしこのプランが軌道に乗れば、教区にもたらす恩恵は計り知れないようにも思われた。

 

同会から七者会議に提案されたポイントを紹介しよう。生命学園を卒園した子どもたちは中学高校と進むことで生長の家を離れてしまう現実がある。土曜日の夕方は中学の部活や小学生の塾がなく、子どもが比較的自由に過ごせる時間。中学生以上には教師経験者が英語、数学、国語などの学習補助を無償で行い、小学生には遊戯やリトミック、先駆的(せんくてき)な教材などを利用した学習内容とする。また食堂は子ども向きの食事にこだわらず、ご奉仕いただく皆さんの健康にも適したノーミート料理を提供する。同時に父母など保護者を対象に教育相談を行い、交流を図るとともに悩みや疑問に答える。この活動を通して、多くの子どもと保護者など若い人たちが教化部会館に抵抗なく集まれる活気ある雰囲気をつくりたい。生命学園への園児拡大、卒園児と中高生誌友会の連携、壮年層会員の育成、園児と熟年世代の交流などをねらいとする。

 

夢を描くことは、生長の家の伝家の宝刀だ。「子ども食堂生命学園」は教区の夢の一つになるだろう。生教会によると、運営資金は「子ども食堂運営基金」(仮称)を設けて寄付で運営、当初は月初めの第一土曜日の午後六時?九時に開催する予定(二月四日から)という。参加者や資金が増えれば、開催回数も次第に増えることになる。

 

この取り組みも教区の運動を五年、十年という時間をかけて地道に盛り上げるための実験である。どのような展開があるかは果実を見て樹の良し悪しを知るほかはないが、そもそも今日の練成も各種の誌友会も先人たちの数知れぬ試みの結果であり、そこから多くの人が救われてきたことを想えば、現状を変えることに躊躇(ちゅうちょ)していてはいけないだろう。イエスは、「新しい葡萄酒(ぶどうしゅ)は新しい革袋(かわぶくろ)に入れよ」と説いた。新しい葡萄酒とは、あなたのことだ。あなたの持てる智慧を、真心を、得手なことを、与え合い生かし合うことから、これからの時代の運動が展開する。愛(神意)を現すことに、遠慮はいらないのである。